易酸化LDLは無くすことができる ①
第1報から第18報まで読んでいただいて、易酸化LDLとは何か解かって頂けたと思います。易酸化LDL(第5報)は治療により無くすことができます。但し脂質異常症の専門医と共同作戦(治療)になります。
ポイント : この易酸化LDL測定法は、特許(第7報)が成立してまだ日が浅いため、一部のお医者様しかご存じないことを予めご承知しておいてください。
しかし治療法は既に確立されています。それは日本動脈硬化学会が2023年出版した「脂質異常症診療ガイド」の第12章家族性高コレステロール血症(FH)に要約されていますが、それらが易酸化LDLの治療の1つであることが知られていなかっただけです。
さて家族性高コレステロール血症(FH)は第16報で説明したようにWHO型判定法のⅡa型またはⅡb型の典型的な発症(発病)スタイルでアポBまたはそのレセプターの遺伝的変異により起こっています。アポBとそのレセプターが共に変異した場合(ホモ型)は重症化します(厚労省指定難病79)。大部分はそのヘテロ型かそれ以外の典型的な易酸化LDL産生体質を持っている疾患群です。
特に動脈硬化から来る疾患群として酸化LDLの挙動はマクロファージによる経路を経て発生しており(第3報、第4報、第5報、第6報、第7報)、それが易酸化LDLだったのです。従ってWHO型のⅢ型、Ⅳ型、Ⅴ型の患者にも、易酸化LDLの有る患者は動脈硬化や心筋梗塞になりやすいことになります。 易酸化LDLを低下(無くす)させる治療法は沢山あります(日本動脈硬化学会が2023年出版した「脂質異常症診療ガイド」の第12章12-3)。代表的な治療薬は肝臓におけるVLDLの産生阻害薬 (HMG還元酵素阻害薬 : LDLコレステロール生成阻害薬)の投与です。
ポイント : LDL粒子を作る臓器はない(第8報参照)ため VLDL粒子中の中性脂肪(TG)が水解されLDL粒子がつくられる。従ってLDLコレステロール生成阻害薬=LDL粒子阻害剤を飲む人はVLDL粒子が総じて少ない。生命維持のためVLDL粒子が脂質代謝をカバーしていると推察される(Ⅱa、Ⅱb型発生の根拠)。
しかし、易酸化LDLが低下したかどうかは確認がされていません (測定法が普及していないためです)。重症化した患者は専門の病院で治療しなければなりませんが軽症の場合はLDLコㇾステロール生成阻害薬(第20報参照)を投与しますがどの薬を使うかはお医者様次第となります。
今までは易酸化LDLの存在をチェックせず薬を変えて患者に効く薬を処方されていましたが、今後は易酸化LDLの有無をチェックしそれを無くす治療薬の選択が重要になります。
前述したように現在易酸化LDLの存在や検査法は一部のお医者様に限られていますのでリスクの高い患者様はなるべく早く易酸化LDLの検査をする必要があります(下記図参照)。
下記の濃度図例はFHの患者の画像 (易酸化LDLの多い患者 : リスクの高い患者)で 加熱なし(未処理)の患者のs-LDL量7% が37℃2時間処理後のs-LDL量が44%に増加した重症患者の例です。

【記事一覧】
第1報 動脈硬化の発生原因が解明されました
薬物と治療