第15報 脂質異常症の改変WHO型判定法のアルゴリズム(医科向け)

2019年1月、日本体質医学会雑誌に発表された「改変WHO型分類法」は、1970年にWHOが公表した超遠心分離法のアルゴリズムをポリアクリルアミドゲルディスク電気泳動法(PAGE法)の電気泳動像をCCDカメラで撮影し市販の汎用コンピュータで解析し、その濃度図(波形グラフ)を超低密度リポタンパク質(VLDL)、中間密度リポタンパク質(IDL)、小粒子密度リポ蛋白質(small dense LDL:sd LDL)、高密度リポタンパク質(HDL)の各面積比を計算した分画%値を用いた具体的なアルゴリズムを発表した。

これにはVLDL、IDL、LDL、sdLDL、HDLの位置関係を明らかにするため相対移動度(RM=relative mobility)の技術が使われた。

(注) 相対移動度 (RM) : VLDLのピーク位置を”0”とし、HDLのピーク位置を”1”としたとのIDL、LDL、sdLDLの各ピーク位置を相対移動度と名付け使用した(移動位置の特定)。
その上、脂質異常症専門医により延約10,000名の患者のWHO型判定結果を考慮して、Ⅰ型、Ⅱa型、Ⅱb型、Ⅲ型、Ⅳ型、Ⅴ型のアルゴリズムを作成し2019年日本体質医学会雑誌に発表された。
上記改変WHO型添判定法は下記引用文献を引用した。

表2 引用文献 : 久保田 亮、井上郁夫、小倉正恒、小泉智三、藤井 隆、野田光彦 : 心筋梗塞発症体質と膵炎発症体質患者における脂質異常症例に対しポリアクリルアミドゲルディスク電気泳動法を用いた新病態分類法(改変WHO分類法)の試み、日本体質医学会誌、Vol.81, No.1、2019

ポイント: 診断に関するポイント
このアルゴリズムは、血清脂質値(TC・TG・HDL-C値)とポリアクリルアミドゲルディスク電気泳動法(PAGE法)の電気泳動の濃度図から、脂質異状症のWHO型判定を行い「Ⅱa型脂質異状症の疑いがあります」等の判定を行っています。
最終診断は、その他の検査結果や患者の身体的状況(遺伝を含む)や投与中の治療薬の効果等を判断して医師が診断する必要がある。
少なくともPAGE法の写真または濃度図を見ないとⅠ型~Ⅴ型の判定は専門家でも難しいと思われる場合があるのでここに付記する。

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