「脂質異常症」と言う言葉を聞いた事がありますか?
インターネットで調べてみてもコレステロール値(LDL-Cを含む)や中性脂肪(TG)値が健常者(正常者)より高いという位しかわかりませんでした。
この13報では目に見えない脂質異常者と健常者の違いを電気泳動像の写真とその濃度図(濃度波形)でお示しします。


ここにお示ししたのは1970年に世界保健機構(WHO)が公表した脂質異常症(当時は高脂血症)の種類とその判定法(classification)ですが、当時の分析法は超遠心分離法で分離したリポタンパク質をVLDLが多いとかLDLが多い等の抽象的な表現でした。その上1検体分析するのに5から10時間位掛けないと分析することができませんでした(第11報参考)。日本では1991年厚生省・日本医師会編の高脂血症診療の手引きに超遠心分離法に代わりポリアクリルアミドゲルディスク電気泳動法(PAGE法)の写真が掲載され、超遠心法に代りPAGE法の写真画像で脂質異常症のWHO型判定ができることが示されましたが、推定の判定法だったため殆ど普及しませんでした。
しかし2019年1月、日本体質医学会雑誌に発表された「改変WHO型分類法」(下記:参考文献)により約1時間で具体的な判定アルゴリズムで簡単に脂質異常症のWHO型判定ができるようになっりました。実にWHOが公表した1970年以後約50数年を経てやっと完成された世界最初の快挙となりました。
引用文献 (久保田 亮、井上郁夫、小倉正恒、小泉智三、藤井 隆、野田光彦 : 心筋梗塞発症体質と膵炎発症体質患者における脂質異常症例に対しポリアクリルアミドゲルディスク電気泳動法を用いた新病態分類法(改変WHO分類法)の試み、日本体質医学会誌、Vol.81, No.1、2019)


【記事一覧】
第1報 動脈硬化の発生原因が解明されました
第2報 LDL粒子とは何者か?
第3報 何故LDL粒子は酸化されるのでしょうか?(No.1)
第4報 なぜLDL粒子は酸化されるのか? (No.2)
第5報 なぜLDL粒子は酸化されるのか? (No.3)
第6報 第5報で述べた「易酸化LDL」の有無をあらかじめ日常検査で調べることができます
第7報 「易酸化LDL」の特許広報
第8報 「LDL粒子生成の秘密」
第9報 課題「検体を37℃2時間インキュベーションしただけで何故 易酸化LDL存在が解るのですか?」
第10報 易酸化LDLの測定
第11報 リポタンパク質の測定法
第12報 ポリアクリルアミドゲルディスク電気泳動(PAGE)法による健常者の濃度図
第13報 脂質異常症(高脂血症)のWHO型の判定(Classification)
第14報 脂質異常症の改変WHO型判定法のアルゴリズム
第15報 脂質異常症のWHO型判定結果の読み方
第16報 動脈硬化の発生原因が解明されました No.2