「心筋梗塞は予防できるかもしれない」
第16報 動脈硬化の発生原因が解明されました No.2

心筋梗塞や動脈硬化になりやすい人の特徴

第1報でなぜ酸化LDLが心臓の冠動脈に集まりプラークを作るかを世界で初めて発見し特許を取得したことを報告しました( 特許第6454950号、第7報)。

すでにアポBのC末端が酸化された場合、マクロファージがそれを異物として貪食(捕獲する)ことは公知となっていますが、いつどこでアポBのC末端が酸化されるのか等は解っていませんでした。それは、リポタンパク質の測定が超遠心分離法しかなく思考が止まっていたためと推定しました。そこでポリアクリルアミドゲルディスク電気泳動法をがLDLの粒子径の順に泳動され、その現象を可視的に捉えること(第11報 第13報)に着目し易酸化LDLの存在を発見(第5報)し特許を取得しました(第7報)。

以上の結果動脈硬化による心筋梗塞の発生原因は、人類が獲得したコレステロールを得るためのシステム (アポB-100とアポBレセプターによる LDL回収システム)の負の遺産が原因であることが明らかになった。

補足 : 逆にこのコレステロール大量使用の恩恵が人類の脳神経系の発達に大きく貢献したことは間違いない(第8報後半参照)。
また人類以外の動物にこのLDLシステムが殆ど無く(授乳期にLDLが現われるのみ)動脈硬化による心筋梗塞が-殆どない点はこれを裏付ける根拠となっている。

厚生労働省指定難病 79

LDL回収システム)の負の遺産の説明

◎ FH(家族性高コレステロール血症)患者は若くして何故心筋梗塞になるのですか?
→ 心筋梗塞になる原因は、酸化LDLの蓄積によるものであるという結論は同一のため !!

FH患者とは遺伝的に全身の細胞がLDLを取り込む鍵と鍵穴の異常(第9報参照)、すなわちアポBのC末端またはアポBレセプター部分の遺伝子のどちらか(ヘテロ型)またはその双方(ホモ型)が異常な場合、LDL粒子を組織細胞が取り込めないためLDL粒子が血中に大量に蓄積する疾患です (LDL粒子の量を表す言葉が無いためLDLコレステロールが蓄積すると表現されている)(参考文献1)。

その結果 ⓵アキレス健肥厚、②皮膚の黄色腫等が出現する他、若くして心筋梗塞になりやすいと言われており厚生労働省指定難病79となっています。

なぜFH患者は、若くして心筋梗塞になりやすいという理由は以下の通りです。
まず、最初に明確にしておかなければならない点は、LDLコレステロールが酸化して動脈硬化巣に溜まったわけではありません。酸化したのはあくまでアポB100のC末端をもったLDL(汚れた服を着たLDL)粒子そのものでした(第3報参照)。

全身の組織細胞はどうしてもコレステロールが細胞膜やホルモンの原料として大量に必要なので、一生懸命リパーゼを産生しLDL粒子のアポBのC末端を覆っている中性脂肪の膜をはがしLDLレセプターに結合できるように働きます(第5報 : 易酸化LDL=活性化LDLの発生 参照)。

しかし運悪く細胞に取り込まれなかった易酸化LDLは、血中を循環している活性酸素でアポBのC末端が酸化された場合、最早や各組織細胞のLDLレセプターに結合できず血中を彷徨い続けた結果、第3報で述べたマクロファージに取り込まれ炎症のある動脈内皮に蓄積し粥状動脈硬化を起こします。

心臓の筋肉は休みなく働いているのでちょっとした傷が多くできます。ここにマクロファージが炎症と間違え酸化LDLをもったまま運び込まれます(粥状動脈硬化の発生: 血管の中で「膿(ウミ)」が溜まった状態)。
特にFH患者のLDLレセプターは、遺伝的に変質しており沢山あるLD粒子が使えずどんどん溜まります。そしして血流中の活性酸素等に捕らえられ異物化します。

これが動脈硬化の発生原因です。動脈硬化は心筋梗塞ばかりではないことを覚えておいてください。
FHは、これが積り積もって若くして心筋梗塞になることが容易に推測できます。

但し、この現象はFHに限らず健常人を含め全ての脂質異常症患者に発生します。
予防法としてはまず脂質異常症にならないことが重要ですが.まず第一に喫煙は活生酸素を増やしますからやめましょう。そのほか活生酸素を増やすものは多いのでここでは触れません。FH患者じゃなくとも易酸化LDLは日常発生していますのでその体質の方は、本ホームページ及び続報を確認してください。