なぜLDL粒子は酸化されるのか? (No.3)
「易酸化LDLの存在」
第3報で述べた様に酸化されたLDLはものすごく少ない上に細菌の様にその場で炎症を起こしたりしませんから動脈中を血流にのって移動し、一番エネルギーを使う心臓の冠動脈のわずかな傷に集まってしまいます(粥状動脈硬化の気発生)。
これが毎日ゝ゛繰り返され何年か後についに心筋梗塞をおこすのです。
だから血液中に酸化LDLは殆ど無いというのが当然ですね。もし血液中に酸化LDLがあるとすればどこかの粥状動脈硬化巣から漏れ出たものと推察されます。
さて本題に戻って「なぜLDL粒子は酸化されるのか?」について少し説明します。
第3報で述べたようにLDL粒子は血液中に安定して存在できるようにリポタンパク質の「アポ B-100」という服を穂着ていると説明しました。
この「アポ B-100」は、優れもので全身全細胞のLDL粒子の取入れ口(LDLセプター)に接続できるC末端を持っている。但しこのC末端は常時活性化されているわけではなく各細胞がコレステロールや中性脂肪が必要な時「アポ B-100」を活性化する仕組みが出来上がっている。ところが活性化されたC末端が運悪くLDLレセプターに取り込まれなかった場合(ここではこれを「易酸化LDL」と呼ぶ)、血液値中の色々な活性酸素で酸化修飾を受け第3報で述べたマクロファージに取り込まれることになります。